研究概要 |
空間電荷分布測定は,材料表面および内部に蓄積する電荷(電界,電位)分布を測定する技術であり,電気・電子機器の絶縁材料の性能評価に利用されつつある。本研究では,より実用状態の絶縁材料の評価に利用するための装置開発を行ってきた。本研究での設定した装置の開発目標は以下の通りである。機能測定試料の厚さ方向(Z方向数mmの範囲)と試料の面方向(x-y方向30×30mmの範囲)の面の測定範囲を10×10(=100)分割し,数10m秒間隔で90画面以上の空間電荷分布を測定できる装置を開発する。 上記の具体的な目標を達成するために20年度より前年度までに以下の技術を開発した。(1)装置は計画の目標である10×10(=100)センサを有する装置の電極系の試作を行った。(2)これまでに利用していた10センサを有する2次元空間電荷分布測定装置に,試作した1×10のGaAs半導体スイッチと切り替えを装着し所定の動作が可能であることを確認した。(3)空間電荷分布測定に必要なパルス発生回路とそれらの制御回路を製作し所定の動作を行うことを確かめた。昨年度は,(4)10センサからの信号を1×10のGaAs半導体スイッチで切り替えた後,所定の回数を平均化し記録する技術開発を行った。具体的には,アベレージャ(Agilent U1082)を利用する方法を考案し,制御ソフト(使用言語LabView)の作成を行い基本的な動作が可能であることを確認した。しかし(4)の総合的な試験時に,制御回路はパルス発生装置と組み合わせると,半導体リレー(パルス発生装置)のスイッチングノイズにより誤動作することが判明し,現在はその対策を実施している。
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