20年度と21年度には、実験の容易性を考慮して、揮発性デバイスであるPAL-SLM(平行配向液晶空間位相変調器)を用いてプログラマブル光再構成型ゲートアレイの開発を進めた。22年度には、この試験結果を基にして、この研究の最終開発目標である不揮発性ホログラムメモリを導入したプログラマブル光再構成型ゲートアレイを開発し、ライターを用いての書き込み試験、スタンドアロン状態での動作試験、6コンテキストによる高速再構成試験の全てに成功した。また、ライター部についても、20年度と21年度の結像方式ライター、非結像方式ライターの研究成果を基にして、22年度には、可動部が一切存在しない、完全空間光変調素子型ライターを開発した.プログラマブル光再構成型ゲートアレイをライターに設置する際には、必ずある程度の位置誤差が生じる。しかし、この完全空間光変調素子型ライターでは、それら誤差を空間光変調素子に書き込む値を修正することで補正することができる。本研究では、実際に設置誤差を発生させ、空間光変調素子による補正により、プログラマブル光再構成型ゲートアレイのホログラムメモリに正常に書き込みが行えることを確認した。また、その他にも、このプログラマブル光再構成型ゲートアレイではトップのホログラム窓から書き込みを行う.ことから、その窓にキズ、汚れが発生した際には書き込みが難しくなることも懸念されていたが、それらがホログラムメモリの特性から問題外にできることを実証した。このように、本研究を通じて、プログラマブル光再構成型ゲートアレイが次世代のプログラマブルな高速動的再構成デバイスとして有効であることを実証した。
|