研究概要 |
センサ材料を半導体集積回路の上に混載したインテリジェント・センサの創出のため、四重極電極における微粒子の誘電泳動を半導体集積回路で制御する「自己整合微粒子操作支援回路」の実現を目指す。この回路は、四重極電極に適切な周波数の信号を供給し、所望の位置に所望のセンサ材料が集まることを支援する。本研究期間においては、提案手法の実現可能性を明確化するため、四重極電極の形状、寸法、及び溶液、微粒子に関する基礎検討に基づく「自己整合微粒子操作支援回路」の仕様策定を行い,この仕様に基づき「自己整合微粒子操作支援回路」の動作電源電圧を0.5V以下に設定した。 0.5V以下という低電源電圧においては,一部のロジック回路では弱反転動作が必要となってくる。この弱反転状態は従来の強反転動作よりも温度や素子特性ばらつきに対する強い依存性をもつため、その補償方法が重要である。そこで、トランジスタのボディ電圧を温度や素子特性ばらつきに応じて制御することにより、ロジック回路の特性を補償する手法を提案した。提案手法により、動作周波数の温度依存性が大きく改善することを回路シミュレーションにより実証した.また,アナログ信号を扱う上で重要なオペアンプについても0.5V対応が可能な回路構成を検討し,回路シミュレーションにより良好な特性を確認した.
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