マイクロ波CT (Computed Tomography)は、超音波探査機、放射線CT、核磁気共鳴NMR (Nuclear Magnetic Resonance)CTの補足である。放射線CTと比べると、マイクロ波CTの特徴は安全性を上げられる。よって、集団検診機器として適である。また、マイクロ波の熱効果を利用し、マイクロ波の治療機も期待されている。本研究で提案した方法はマイクロ波CT機へもマイクロ波治療機へも応用される。また、高性能のマイクロ波CTの実現には、超小型且つ高性能のアンテナがキーポイントとなる。 アンテナが小さくになりにつれ、放射インーピダンスが小さくなる。しかし、多くの回路の入出力端子のインーピダンスが50Ωである。小型アンテナと接続ために、低インーピダンスから50Ωへの変換回路が不可欠になる。しかし、小型広帯域の変換回路の実現が容易ではない。ここでは、小型アンテナと送受信回路を一体化し、この変換回路の省きによって、高性能のシステムを提案した。また、シリコン基板のRFICチップにおいて、インダクターが占めた面積が大きく、回路の総合特性に強く影響する。ここでは、多層構造の3次元インダクターを提案した。HFSSを用いたシミュレーションの結果は、面積が数分の一まで小さくなり、特性が十数GHzまで有効である。また、従来のCTと比べると、マイクロ波CTの難しいところは、マイクロ波の散乱特性によって生じたものと考えられる。ここでは、対数の超小型アンテナを利用し、送受信アンテナの位相を制御する。よって、特定のところからの散乱効果を強め、そして、そのところの電気媒質の特性を特定できる。本研究で提案した手法は従来の方法と比べると、計算量が小さく、計算精度がよい特徴を上げられる。
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