近年、爆発的に増えつつある膨大な情報を迅速に伝達するため、既存のインターネットシステムを代わって、全光インターネットシステムの構築は絶対不可欠になった。また、環境破壊及び近代人の食生活習慣の変化により、乳がんが急激な増加効傾向にある。乳がんは早期発見早期治療により治る率が高い癌である。ここで、申請者らは、3次元の電磁結晶のハイ利得・狭ビーム幅を持つアンテナを用いて、苦痛を与えない非侵襲的な乳がん検診用断層イメージング方法(マイクロ波CT)の開発を検討している。電磁結晶は、誘電体あるいは金属からなる散乱体を周期的に配置して人工的に構成した電波材料である。近年、申請者らは、様々な構造を持つ電磁結晶の電波特性を解析し、任意断面の金属フォトニック結晶による電磁波散乱の厳密な解析法、改良したフーリエ級数展開法、及び格子和と一般化散乱行列を用いた不均一フォトニック結晶による電磁波散乱の厳密な解析法などの三つの解析理論を提案し、その有効性を実証してきた。一方、異方性媒質で構成したフォトニック結晶を用いれば、外部印加電磁界によって制御可能な超高速光スイッチ、可変フィルター、方向性結合器などの新しいデバイスが期待されている。更に、3次元の電磁結晶を用いれば、小型なアンテナでも、大型な而状アンテナに相当する非常にハイ利得・狭ビーム幅特性の実現が可能である。 本研究では、様々な構造を持つ電磁結晶を解析する理論を研究し、有効的な解析手法を提案する。また、電磁結晶を利用し、新しい高性能デバイスを研究開発する。特に、電磁結晶のデイバスを用いて、乳がん検診用のマイクロ波CTシステムを研究開発する。
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