研究概要 |
今年度は全周からの観察に適した光線を再生するディスプレイのための基本原理の確立を行った。 1.提案するシステムでは、ディスプレイの画面を水平に配置し、ディスプレイから浮かび上がるように3次元像を表示する必要がある。このような3次元表示を可能とする仰角45度,視域角16度のホログラフィック光学素子(HOE)の設計・製作を行った。 2.1で製作したHOEを用い、2次元ディスプレイと組み合わせたシステムを構築し、ディスプレイから浮かび上がるように3次元像を表示するための画像データを作成する手法を確立した。HOEと組み合わせて使用する高解像度の2次元ディスプレイを、高解像度の小型プロジェクタの投影像を複数組み合わせて実現した。 3.全周から観察できるディスプレイを構築する原理を確立するため、1で製作したHOEと同じものを2枚用い、前面と後面の2方向から3次元像を観察できるシステムを構築した。表示可能範囲は108×81×81[mm]で、2つの3次元像を重畳表示することができた。 4.2方向から観察可能な2つの3次元像を再生できる特徴を、1枚のHOEに持たせる手法も試作・検討した。この方式は、2枚のHOEを用いる方式と比べ3次元像の解像度は劣るが、空中での3次元像の位置合わせが容易であるという特徴がある。 5.上記提案システムにおいて3次元像を再生するために必要な光線データの取得手法を検討し、CGおよびカメラを用いた撮影によって、基本原理の確認を行った。
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