電磁界数値解析に移動境界問題を導入した数値解法を提案してきている。この手法はFDTD法と重合格子法を組み合わせた手法である。平成21年度には重合格子法とFDTD法を用いることで、2つの慣性系を数値解析に導入することを考案し、ローレンツ変換をFDTD法に導入することを可能にした。平成22年度は、任意の運動にも適用できることを証明するため、この手法を3次元問題や回転問題に適用し、高速で回転する物体の電磁界解析を行うことができた。この結果を理論直と比較し、よい一致をみた。このことより、この手法は、光、マイクロ波デバイスの解析だけではなく、カーボンナノチューブなどの数値解析に適用できることを証明でき、広く応用が期待される。 これらの成果のうち、3次元問題に関する成果は、2010年のACES2010で発表し、Proc.of ACES2010に掲載されている。回転問題や斜め方向運動などの研究成果は、Proc.of IEEE2010、Proc.of AP-RASC2010、Proc.of ACES2011などに掲載されている。また、これらの成果をまとめた論文は、ACES Journalに掲載が決定している。国内では、2010年5月の電気学会電磁界理論研究会、9月の電子情報通信学会ソサエティ大会、11月の電気学会電磁界理論研究会などで発表した。このように、得られた成果は国内外の学会で発表し、高い評価を得ている。
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