研究概要 |
高速信号処理デバイスの開発・モデリング・回路設計に関する研究 次世代モバイル通信システムの開発に向けて、マイクロ波帯(3.1~10.6GHz)を用いる超低消費電力のセンサネットワークへの応用として超広帯域(UWB)帯域通過フィルタの設計法を確立した。具体的に、中心周波数6.8GHz、通過帯域3.1~10.6GHz(比帯域幅110%)、リップル幅0.20dBのチェビシェフ特性を持つ超広帯域帯域通過フィルタをシミュレータによる試行錯誤ではなく,合成理論に基いて設計できることを示した。なお実際に設計したフィルタのプリミティブな試作・測定・評価した結果、比帯域110%、周波数帯域共に米国連邦通信委員会の規定を満足するUWBフィルタ実現の見通しを得ている。 電子機器からの電磁雑音のモデル化と電磁干渉メカニズムの解明 UWBフィルタを組み込んだPCBボードや電子機器から漏洩する不要電磁放射を追及するためには,高周波電界と高周波磁界を測定する必要がある。穴田・陳の研究グループは、これまでに電界に関しては、ほぼ数100MHzから20GHz帯まで測定可能な超小型電界プローブを開発し、産業界との共催MWE,および国際会議APMC,IEEE-EMC,Europe-EMCなどにおいて発表し、測定精度、測定結果は世界の最高水準にある。その研究成果の一部はメーカの研究者にも提供している.さらに、最近、広帯域且つ高周波用磁界プローブの開発の見通しを得ており、プリミティブな試作段階であるが、測定結果の一部を国際会議にて発表予定である(2011.9 Europe EMC York,UK)。
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