研究概要 |
多品種少量生産システムLSIを経済的に設計・製造できる手法として,電子ビームを用いてビア2層のパターンを変更することでフォトマスクコスト無しに,任意の論理を実現できるビアプログラマブルデバイスVPEX(Via Programmable logic device using EXor Array)の研究を行っている 今年度は下記の4項目の研究を行い,上記技術の実現のための要素技術の確立を行った (1) VPEXの新改良型アーキテクチャVPEX3のアーキテクチャを考案した.ロジックエレメント構成素子の削減とレイアウトの抜本的見直し,およびプログラムレイアウトしてビア3層を使用することにより,目的とする回路を構成したときのチップ面積が昨年度のVPEXと比較して約1/3に削減できることが明らかになった,本新アーキテクチャは英文論文誌に投稿・査読中である (2) VPEX3に対応した設計自動化フロー(HDL記述よりレイアウトを自動生成するための自動配置配線ツール)を構築した.カナダのUniversity of British Columbiaとの研究交流により,アメリカの大学が開発した自動配置ツールCapoと概略配線ツールFGRをVPEX3の設計フローに取り込むことが可能になり,VPEX3アーキテクチャの性能評価を正確に行うことができるようになった (3) ビアプログラマブルロジックにおいては,配線経路中のビア個数の増大に伴う抵抗の増加,配線経路上以外の余分な冗長配線上の寄生容量によって,ASICと比較して,配線における信号遅延が増加する.この影響を定量的に評価するために,ローム社0.18μmCMOSプロセス上で配線遅延評価テストチップのリングオシレータにより評価を行った.その結果と,上記CADツールを用いて作製したチップレイアウトから,ビアプログラマブルロジックの配線遅延の定量的評価を行い,通常のASICに対して,約1.5倍の仮想配線容量を持つことを明らかにした
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