研究課題/領域番号 |
20560342
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
荻原 昭文 神戸市立工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (00342569)
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研究分担者 |
小野 博司 長岡技術科学大学, 電気系, 教授 (10283029)
垣内田 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (40343660)
吉村 和記 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究グループ長 (50358347)
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キーワード | 液晶 / 高分子 / レーザ / 回折 / 調光 / 温度 / 配向 |
研究概要 |
(研究目的) これまでの研究において液晶・高分子複合体材料の屈折率差の増加による調光機能の向上への有効性がわかってきた。このため、今年度は、基板の表面処理と異常光屈折率が1.6以上の大きな屈折率を有する光重合性液晶モノマー材料を導入した調光デバイス開発を行う。 (実施内容) 光重合性液晶モノマーとして異常光屈折率が1.687と高い値を有するメルク社製の異方性モノマー材料(RM257)と従来から用いてきた等方性モノマー材料との比較を試みた。また、表面処理のための水平・垂直用配向膜種類と、ラビング方向を変化させて素子作製を試みた。これら素子に対して室温(25℃)から100℃以上まで温度増加を与えてグリーンレーザにより、表面処理の条件の違いと回折効率との関係を明らかにした。さらに素子の温度制御が可能な分光評価装置により、可視光領域(400-700nm)と赤外光領域(700-1000nm)に対する透過率の計測評価を行った。 (研究成果) 作製した素子の回折効率の偏光角異方性測定から、配向膜とラビング条件の組み合わせにより、光重合性液晶モノマーの重合前の分子方向を表面処理により制御した状態での重合による分子方向の固定化が可能であることを確認した。この結果、高分子材料とネマテック液晶との屈折率の組み合わせにより、温度増加に対する回折効率の増加または減少の設定が可能になり、調光素子としての適用可能性を拡張させることができた。さらに、散乱異方性フィルムを素子に添付した分光評価により、素子を介した熱エネルギーの流入や遮断に基づく省エネルギー効果に関する基本性能を評価した。
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