研究概要 |
平成21年度の研究では「自動車衝突防止を目的とした新周波数帯利用に関する研究」として,特に以下の3点を柱として研究を遂行した.尚,研究成果に関しては論文及び国際会議等において積極的に発表を行っている. 1.交差点における電波伝搬解析 交差点における衝突防止目的とし,ITS向けに開放予定である720MHz帯における交差点電波伝搬解析を行った.今年度は新たにビル壁厚み,窓及及び歩行者を考慮した現実の環境に近い解析を行った.その結果,窓及び歩行者が電波伝搬特性に大きな影響を与える事を明らかにした. 2.アンテナの車載時における近傍界-遠方界境界の評価 自動車衝突防止システムにおいてアンテナの存在は必須であるが,その指向性は車載時には大きく変化する.特に電波暗室における実験において指向性を測定する場合,車載アンテナの近傍界-遠方界境界の把握が非常に重要になる.本研究ではシミュレーションを用いて700MHz帯車載アンテナの近傍界-遠方界境界を明らかにした. 3.到来波推定に関する研究 交差点近傍においてより高精度な自動車位置推定のために到来波推定が必要となる.今年度は,到来波推定アルゴリズムの一つであるGA(Genetic Algorithm)の高精度化を行った. 4.RF-IDを用いた自動車位置制御に関する研究 交差点近傍における自動車位置の高精度な検出・制御のために,RF-IDを用いた研究を行った.本年度はRF-IDに埋め込む位置情報を拡大することで高精度な自動車位置制御を可能にした.
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