研究概要 |
平成22年度の研究では「自動車衝突防止を目的とした新周波数帯電波利用に関する研究」として,特に下記の3点を柱とした研究を遂行した.尚,研究成果に関しては論文及び国際会議等において積極的に発表を行った 1. 住宅地交差点における電波伝搬特性解析 ITS向けに開放される720MHz帯における住宅地交差点電波伝搬解析を行った.今年度は新たに家屋塀の内部構造を考慮し,コンクリートブロック塀及び一様コンクリート塀における電波伝搬特性の比較を行った.その結果,伝搬損失においては壁内部構造及び実際に使用される範囲の壁厚みによる影響は非常に小さい事が明らかとなった.また,インパルス応答解析においては壁内部構造により各到来波の伝搬経路が異なる事が明確になった 2. アンテナの自動車搭載時における近傍界-遠方界境界の評価 自動車衝突防止システムにおいてアンテナの存在は必須であるが,その指向性は車載時に大きく変化する.特に電波暗室における実験において指向性を観測する場合,車載アンテナの近傍界-遠方界境界位置の把握が非常に重要となる.今年度は車体の電流分布から解析的に任意距離の電界分布を求める事で,UHF帯車載アンテナにおける定性的な近傍界-遠方界境界位置を明らかにした 3. 自動車搭載アンテナの到来方向推定に関する研究 交差点近傍における高精度な自動車位置推定のために到来方向推定法が必要となる.今年度はMUSICアルゴリズムによる車両近傍波源の到来方向推定に関する研究を行った
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