| 研究概要 |
本年度は,(1)再送制御を行う上りOFDMAパケット伝送におけるターボマルチユーザ検出と適応多重制御,及び(インターリーブ分割多重と適応リソース割り当てを用いるMIMO-OFDM IDMA,に焦点を絞り研究を行った.具体的な内容は以下の通りである.
(1)移動通信における上り回線OFDMAパケット伝送のスループットを改善するため,複数の移動局のパケットを同一時間・周波数に多重し,再送されたパケットを合成しながら,多重されたパケットを分離するマルチユーザ検出(MUD)が検討されている.さらなるスループット改善のため,最大事後確率(MAP)推定に基づき,復号器の出力であるビット対数尤度比(LLR)を用いることでMLDをMAP検出に拡張したターボマルチユーザ検出(T-MUD)を提案した.また,スループットをさらに改善するため,初送のとき以外,多重されるパケット数を増加させる適応多重制御を導入した.
(2)移動通信の上り回線において,インターリーブ分割多重(IDM)と適応リソース割り当てを適用したMIMO-OFDMインターリーブ分割多元接続(IDMA)を提案した.提案方法では,全サブキャリアを複数のリソースブロック(RB)に分割し,IDMは同一のRBにインターリーバのみが異なるストリームを多重する.このIDMを各ユーザに対して適用することで,伝送レートを一定としたまま使用するRB数を減らすことができる.また,適応リソース割り当てにより,各ユーザのSINRを向上させ,高スループット化を目指す.この適応リソース割り当ては,まず,他ユーザからの干渉を考慮せずSNR基準で各ユーザにRBを割り当て,その後,他ユーザがどのRBを使用するかを考慮してSINR基準のリソース割り当てを繰り返し行う.
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