研究課題/領域番号 |
20560347
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
府川 和彦 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00323775)
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研究分担者 |
鈴木 博 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00282864)
須山 聡 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (70334505)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | マルチユーザMIMO / ブロック対角化 / 2次統計量 / CSIフィードバック / OFDM / SIMO / EMアルゴリズム / ファクターグラフ |
研究概要 |
本年度は,(1)マルチユーザMIMO通信チャネルの2次統計量を用いるブロック対角化近似,及び(2)SIMO-OFDM伝送の逐次受信処理におけるファクターグラフに基づく信号検出,に焦点を絞り研究を行った.具体的な研究内容は以下の通りである. (1)マルチユーザ MIMO において,CSI のフィードバックを必要とせず,パスの到来角の平均値と分散からチャネルの2次統計量を推定し,これを用いてブロック対角化(BD) 近似を行う方法を提案した.具体的には FDD 方式においても上り回線のパスの到来角分布と下り回線のパスの放射角分布は一致すると仮定し,上り回線の到来角の平均値と分散を上り回線の受信信号から求め,下り回線チャネルの2次統計量である自己相関行列を推定する.この自己相関行列を用いるために,従来の BD がチャネル行列を特異値分解するのに対し,チャネルの自己相関行列を固有値分解する.本提案方式の特性を評価するため計算機シミュレーションを行い,CSI フィードバックが不要にもかかわらず,CSI 既知の従来の BD に較べ,通信路容量の劣化が小さいことを明らかにした. (2) OFDM受信機に複数の受信アンテナを備えた SIMO 伝送を対象として,EM アルゴリズムを用いてチャネル推定と信号検出を繰り返す逐次処理が検討されている.この処理に対し,ファクターグラフの観点から,逐次処理に適した信号検出である空間リムーバルを提案した.空間リムーバルは,信頼度の低い受信信号が信号検出,チャネル推定に繰り返し使用されることを回避した信号検出である.さらに,リムーバルの効果と空間ダイバーシチ効果を両立することを目的とし,空間リムーバルの適用方法を検討した.計算機シミュレーションにより,空間リムーバルを適切な回数行うことで,高速フェージング環境下でのエラーフロアを改善できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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