研究概要 |
本研究はネットワークの長寿命化を実現するための超省電力通信プロトコルの開拓を目的としている. ネットワークの長寿命化を実現するためには,基本的に必要最小限の頻度の通信を行ない,通信時以外は出来るだけパワーオフにして電力の消費を省くメカニズムの確立が必要になる.その際,同じタイミングで端末をオンとするために,地上の基地局(探索装置)や隣接する端末からの電波により,順次起動させる方法もあり得る. この方法の一構成例として,受信端末が通信を始動する新規なネットワーク情報共有,情報収集のプロトコルが得られ,これに関し前年度に引き続き、さらに特許出願を2件行なった。その研究内容は研究会での発表として2件が該当する。内、1件は、電子情報通信学会のアドホックネットワーク研究会の若手研究者奨励賞を受賞した。 また当該年度には,新規なデータのフラッディング・収集方式のアイデアが得られ,その系統的な開拓を行ってきた。これに関して2件の国際会議での発表を行った。また、これに付随する論文発表も現在進行中である。 一方で,分散ネットワークにおいて全ての端末が一斉に同期してオン・オフのタイミングを維持する方法も必要であるため、この実現方法のハードウエアレベルでの検討も行っている。この研究は、シグナルレベルでの同期・引きこみを最適化する新規な理論とアルゴリズムの構築につながり、その成果は、一流誌であるPhys.Rev.Lettsに採録された。この成果は、本年度において3件の招待講演において発表されている。
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