研究課題
近年、ロボットビジョンの研究により、障害物や空間位置の認識など、映像情報を駆動系ヘフィードバックできる、種々の遠隔操作や自律走行システムが開発されている。本研究では、複数の探査ロボットが編隊を組んで探査現場で活動し、操縦者と分析者、更には複数のロボット間で、ネットワーク通信路を介して映像情報を共有できる、新しいタイプのシステムを研究開発する。この際、映像を時空間基底により成分分解し、情報源を符号化してから通信する。特に、特定の機能を実現するために必要最小限の成分のみを、複数のロボットが送受信できるようにする。このような新しい機能を持つ階層符号化手法を開発することで、探査現場における限られた伝送帯域の下での、安定した連携遠隔探査が可能となる。本年度は、先行ロボットが環境画像マップを生成し、複数の追従ロボットがマップ上における自己位置を同定することで、複数ロボットによる連携探査を可能とするシステムを開発した。特に、ロボットの自己位置推定に必要となる天井マップの生成において、不整地走行時に発生する動き情報に重畳する誤差を、前方映像から得られる動き情報により、正確に補正する手法を確立した。また、映像信号の解像度、および動きベクトルと演算丸め誤差との関係を明らかにした。更に、これまで全てのロボットにおいて、同じ映像処理が行われていたが、今回、先行ロボットへ処理の負荷を集中させることで、追従する複数のロボット間における、データ通信量の大幅な低減が可能となった。今後は、より実用的な利用環境を想定し、システムの試作機による実証試験を行う。これにより、建物内のロボットによる、空間インフラに依存しない、安定したセミオートな連携探査システムを開発する。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
IEICE Trans.Fundamentals E93-A, 3
ページ: 631-635
Journal of Electronics and Communications 3-3
ページ: 203-216
Journal of Robotics and Mechatronics 21-6
ページ: 758-764