研究課題/領域番号 |
20560354
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大平 孝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30395066)
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研究分担者 |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (00293754)
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キーワード | 電波ゆらぎ / 可変指向性 / 相互情報量 / 秘匿条件 / バラクタダイオード / レイトレース / スティックメモリ / 鍵一致率 |
研究概要 |
可変指向性アンテナをスティックメモリサイズにまで小型化するための設計手法を確立するための具体的基本構造として、半波長ダイポールを3本平行に配置した。これに指向性可変機能を付加するため、中央素子に給電ポート、両側パラサイト2素子にバラクタを装荷した。バラクタに直流バイアス電圧を印加することにより指向性を制御する装置を試作した。指向性可変機能を高く維持したまま素子長と素子間隔を如何に小さくできるかの限界を極めるため、モーメント法により素子間電磁結合アドミタンス行列を数値的に求め、これに基づいて等価ウェイトベクトル法により放射指向性の可変パタンを算出した。振幅および位相指向性の空間相関を指標として、アンテナサイズの下限を12分の1波長と決定した。この結果が正しいかどうか確認するためにプリント基板と銅線で製作したブレッドボードモデルで実験を行った。鍵生成するための十分なゆらぎが様々な環境において得られるかどうかを理論的ならびに実験的に調べた。上述の指向性計算結果を用いて、直接波およびマルチパス反射波によって生じる受信点でのゆらぎをレイトレース法により推定した。どのようなアンテナの構造パラメータおよびバラクタ電圧でどのようなゆらぎが得られるかをコンピュータシミュレーションで探った。これを種々の環境において繰り返し計算することによりゆらぎを統計的に評価した。ブレッドボードモデル2セットを離れた場所に設置し相互に送受を切り替えて実空間での鍵生成実験を実施し、2地点間での電波ゆらぎ特性ならびに鍵一致率を実測することに成功した。これらにより得られた知見に基づきバラクタ電圧制御法を発明し特許として出願した。
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