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2010 年度 実績報告書

次世代衛星通信・放送の回線品質補償技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20560359
研究機関九州大学

研究代表者

藤崎 清孝  九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20253487)

キーワード衛星通信 / 衛星放送 / 情報通信 / 降雨減衰補償 / 電波伝搬 / ビットエラー / 信号減衰 / 無線通信
研究概要

次世代の高速衛星通信・放送システムの安定した利用を実現するために、マルチビーム衛星システムを対象に、ビームエリア毎に降雨が衛星通信に与える影響を予測し、事前に各ビームに対策を行うことで、回線品質を補償する技術の確立を目指した。このために、Ku帯衛星通信システムを用いて研究室で蓄積してきた大量の実験データを用いて、降水量と降雨強度、信号減衰の関係について統計的な性質の評価を進め、今年度は以下の成果を得た。(1)10分間降水量と観測時間内に観測される降雨強度の関係を調査し、降水量が多くなるに従って、観測される降雨強度が大きくなること、観測される降雨強度が広く分布していくこと、降雨強度の分布の広がりは一様ではなく、ピーク値をもつことを明確に示した。これまで主に用いられていた1時間降水量を用いた解析では、時間内に観測される降雨強度が小さい降雨強度側に偏って分布し、平均として過小評価される傾向があったのに対して、10分間降水量を用いることで、衛星回線に対する降雨の影響をより適切に評価できることを示した。(2)回線品質補償技術の検討に必要となる衛星回線に影響を及ぼす降雨が持続する時間の評価を行った。実験データに対して、幾つかの降雨強度の閾値を定め、それを超える降雨が持続する時間を評価した。解析の結果、降雨強度が強くなるほど閾値を超える降雨が持続する時間が短くなるが、降雨強度が30mm/hを超える強い雨の場合でも10分を超えて持続する場合があることを示した。このことから衛星回線に影響を及ぼす降雨の持続時間は数分間続くこともあり、回線を維持するためには、送信電力の増力だけでは十分な対策がとれず、符号化率の変更、伝送速度の変更、タイムダイバーシチの適応などが必要であることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Relations among 10-minute precipitation, rainfall intensity and Ku-band rain attenuation in Kyushu Island, Japan2010

    • 著者名/発表者名
      K.Fujisaki, G.Satoh, M.Tateiba
    • 雑誌名

      Proc.of 2010 International Conference on Broadband, Wireless Computing, Communication and Applications

      ページ: 581-586

    • 査読あり
  • [学会発表] 九州における10分間降水量と1分間降雨強度の統計的な関係の解析2010

    • 著者名/発表者名
      中野哲夫、藤崎清孝
    • 学会等名
      第63回電気関係学会九州支部連合大会
    • 発表場所
      九州産業大学
    • 年月日
      2010-09-26

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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