研究概要 |
1. 主観評価によるアナログTV受信とディジタルTV受信に与える影響の評価 平成20年度に作成した擬似妨害波を用いて,妨害波をアナログTV信号およびディジタルTV信号放送電波に干渉させ,その影響を把握した.本研究が終了する2011年までは両方の信号が受信可能であるため,実際の放送波を用いて,擬似妨害波を2つの周波数に変換して同時に干渉させ,同じ放送を見比べて,MOS(Mean Opinion Score)値を用いて影響の相対評価を行った.また,妨害波が印加される位置,種類等さまざまな要因について実験を行い,影響の把握を行った.妨害波としてはPCクロック(SSC : Spread Spectrum Clocking)とAM変調波信号を使用した.検波方式としては,従来妨害波評価に使用されている準尖頭値を用いた.その結果,準尖頭値を用いた評価方法では,ディジタルTV信号の方がアナログTV信号に比べて妨害波に強いこと,位置の影響は小さいこと,ディジタルTVの場合はAM変調波のような狭帯域の妨害波よりもSSCのような広帯域妨害波の方が大きな影響を受けること等がわかった。 2. シュミュレータによる客観評価 OFDM方式のシミュレータを作成する前段階として,BPSKのシュミュレータを作成した.TV信号は6MHzと広い周波数帯域を有するため,これに近い値として,4MHzの帯域を有するBPSK変調波を作成した.また,この帯域に対応するため,増幅器,ミクサ,ローパスフィルタを用いて,6MHzの帯域内ではほぼ一定の周波数応答を有する評価系を作成した.
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