研究課題
離散コサイン変換(DCT)係数の正負符号とフーリエ変換の位相項の関係を理論的に考察し、従来フーリエ変換の位相項に基づき実行されてきた画像マッチングを、DCT係数の正負符号によって実行可能とする理論的基礎を得た。対称に拡張された画像の位相項が、DCT係数の正負符号により表現できることが導かれた。本年度は、その理論に基づく2枚の画像間の相対的幾何変換量をサブピルセル精度で推定できることが確認できた。新しいフィッティング関数を提案し、コンピュータシミュレーションによりその有効性を評価・検証した。提案した相関法のための新しいフィッティング関数を検討し、幾つかの国際会議論文、学術論文のその成果を発表した。また画像の位相特性と視認性との関係に着眼して、画像を位相スクランブル処理し、視覚的に認識不可能にした画像に対してマッチングを行うという新しい分野の可能性の検討を行った。これは、個人情報保護やメディアセキュリティという分野で重要な役割を果たすことが期待される。スクランブルに用いる鍵の管理、スクランブル条件と画像の視認性の関係の考察、処理に要する計算量などの観点から研究を行った。画像マッチングの際の推定精度へのスクランブルの影響についても理論的解析を行った。これらの成果は、国際会議、学術論文として発表した
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