• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

VHF帯およびMF帯における地震電磁現象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560362
研究機関広島市立大学

研究代表者

吉田 彰顕  広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50316139)

キーワード地震電磁現象 / VHF帯 / MF帯 / Dual Band観測 / ダクト伝搬 / 大気屈折指数 / 高層気象 / 東北地方太平洋沖地震
研究概要

地震電磁現象の観測は国内外多くの研究機関で行われており,観測周波数帯も直流からVHF帯まで,各種の周波数帯で行われている。当研究チームはVHF帯地震電磁現象の観測系を構築し,これまで10年以上にわたり昼夜連続観測を行ってきた。本研究の目的は,VHF帯の観測系に新たにMF帯の観測系を併設し,「異なる2種類の周波数バンド(VHF帯・MF帯)によるDual Band観測」を行い,「地震に伴う電磁現象の有無を科学的に検証すること」である。これまでに全国6ヶ所にVHF帯・MF帯の観測系を構築しDual Band観測を安定かつ高精度に継続した。特に,MF帯においては日の出・日の入りに呼応し,受信レベル変動が大きく変動することを確認した。また,VHF帯においては,その受信レベルが20dB近く上昇する現象を,夜間に頻繁に観測した。その原因を伝搬区間に近い気象庁の高層気象データを元に考察した。その結果,大気屈折指数の高度変化(Mプロフィール)と受信レベル上昇には強い相関があること,高層気象データからダクト伝搬に伴うレベル上昇の発生予測が可能であることを明らかにした。このレベル上昇はあたかも地震前兆現象のように見えることから,レベル上昇が発生した場合,高層気象データとの比較検証が不可欠であることを関連学会において注意喚起した。得られた研究成果は査読付の国際会議および学術論文誌に投稿採録され,タイムリーに報告することができた。また研究終了間際の3月11日に東北地方太平洋沖地震(M9)が発生した。当研究チームが運用中の観測系の内,震源に近い,山形,日立,横須賀観測系のデータを解析した結果,通常の大気屈折指数変動に伴うレベル変動は観測されたものの,地震前兆現象は検出されなかった。このことから地震に伴う電磁現象は,大気屈折指数変動によるレベル変動よりも小さな現象であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 見通し外FM放送波77.1MHzの3年間3区間における観測結果2011

    • 著者名/発表者名
      西正博, 新原英満, 新浩一, 吉田彰顕
    • 雑誌名

      Journal of Atmospheric Electricity

      巻: Vol.31 ページ: 11-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] UHF帯テレビ放送波を利用したヒト検知システムにおける時間差判定の適用効果2010

    • 著者名/発表者名
      西正博, 新浩一, 吉田彰顕
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌B

      巻: Vol.J93-B ページ: 1239-1248

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 見通し外FM放送波の伝搬特性と高層気象待機屈折率の関連2010

    • 著者名/発表者名
      吉田彰顕, 新浩一, 西正博
    • 雑誌名

      Journal of Atmospheric Electricity

      巻: Vol.30 ページ: 83-94

    • 査読あり
  • [学会発表] Characteristics of the FM Radio Waves Propagated over the Epicenters2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshida
    • 学会等名
      URSI-EMTS
    • 発表場所
      Steigenberger (Berlin)
    • 年月日
      2010-08-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.wave.info.hiroshima-cu.ac.jp/research.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi