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2008 年度 実績報告書

空間伝搬利用に適した音響データ秘匿技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560365
研究機関東京情報大学

研究代表者

西村 明  東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (30286182)

キーワード情報通信工学 / 情報工学 / 先端的通信 / 移動体通信 / 画像、文章、音声等認識 / データハイディング / 音響信号処理 / 音声符号化
研究概要

音響信号に付加情報を埋め込む音響電子透かし(データ秘匿)技術において、音楽や音声に情報を埋め込んでスピーカ再生し、マイクで受音する利用者側で情報を検出して利用する技術の開発を行った。
携帯電話など、利用者側の端末がリアルタイムに透かし検出する演算能力を持たない場合には、ホストコンピュータに対する音声通話によって透かし入り音声信号を伝送し、ホスト側で検出した情報を端末に送信して表示する利用法が考えられる。このような利用場面を前提に、従来からが開発してきた音響透かし技術が、空間伝播や携帯電話の音声圧縮コーデックを経ても利用可能かどうかについてシミュレーション実験と実環境における実験を行った。様々な音声および音楽信号に8bpsで振幅変調に基づくデータ埋め込みを行なった結果、背景雑音のみが重畳される場合は、6.7kbps以上のAMRビットレートにおいて、80%以上のビット検出率が得られた。さらに残響が重畳する場合は、12.2kbpsのAMRビットレートにおいて80%以上のビット検出率が得られた。データ埋め込みに伴う客観的音質劣化度合を調べた結果、残響や背景雑音が存在しても、AMRコーデックのビットレートが高ければ、品質を大きく劣化させずにデータ秘匿による情報伝送が可能であることが分かった。
また、カラオケの伴奏に歌詞表示情報を埋め込んでスピーカ再生し、マイク受音して伴奏に同期して歌詞を表示するシステムを作成した。システムの性能評価として、データ埋め込み済み音楽信号に対して音質劣化の客観評価を行った結果、劣化は平均的に「やや気になる」以下であることが分かった。残響および背景雑音付加、入力過大による振幅制限、歌唱音の重畳による検出力への影響をコンピュータシミュレーションによって調べた結果、それらの変形を経た伴奏音からも、十分埋め込みデータの検出は可能であり、伴奏に同期した歌詞表示が可能であることが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Data Hiding for Audio Signals that are Robust with respect to Air Transmission and a Speec2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura
    • 雑誌名

      Proceedings of the 4th International Conference on Intelligent Information Hiding and Multimedia Signal Processing

      ページ: 601-604

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 音響透かしを用いたカラオケ歌詞表示システムの性能評価2008

    • 著者名/発表者名
      西村明, 坂本真一
    • 雑誌名

      日本音響学会聴覚研究会資料 38

      ページ: 555-560

  • [雑誌論文] AMR音声コーデツクにおけるピッチディレイパラメータへのデータハイディング2008

    • 著者名/発表者名
      西村明
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 第4回マルチメディア情報ハイディング研究会資料

      ページ: 43-48

  • [学会発表] An objective method for evaluating data hiding in pitch gain and pitch delay parameters ofthe AMR codec2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura
    • 学会等名
      Audio Engineering Society Japan Conference in Osaka
    • 発表場所
      大阪・新ABCホール
    • 年月日
      2008-07-25
  • [備考]

    • URL

      http://adlib.rsch.tuis.ac.jp/~akira/hit/wm_air.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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