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2009 年度 実績報告書

空間伝搬利用に適した音響データ秘匿技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560365
研究機関東京情報大学

研究代表者

西村 明  東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (30286182)

キーワード情報通信工学 / 情報工学 / 先端的通信 / 移動体通信 / 画像、文章、音声等認識 / データハイディング / 音響信号処理 / 音声符号化
研究概要

■ 携帯電話音声符号化データへの情報埋め込み
携帯電話において、送話側から受話側へ音質を劣化させずに補助情報を伝送するために適切な方法を開発した。この伝送される補助情報としては、スピーカ再生音に埋め込まれた透かし情報を受話側の電話端末において復号化した情報が挙げられ、これにより透かし情報を効率よく受話側へ伝送することが可能になる。また、この補助情報は下記の電話音声の広帯域化にも用いることが可能である。この成果は査読つき国際会議論文として公表した。
■ 携帯電話音声の広帯域化
携帯電話において、利用者側の端末がリアルタイムに透かし検出する演算能力を持たない場合には、ホストコンピュータに対して音声通話することによって、一旦透かし入り音声信号を伝送し、ホスト側で検出した情報を端末に電子メールなどで送信して表示する利用法が考えられる。しかし、携帯電話音声符号化による帯域制限を原因とする音声品質劣化が、透かし情報の伝送効率を下げていた。このため、従来の携帯電話音声符号化方式と互換性を保ちつつ、音声信号を広帯域化する技術を、音声符号化データへの情報ハイディング技術を利用して開発し、音声品質を向上させることに成功した。この成果は査読つき国際会議論文として公表した。
■ 音楽的旋律を用いた空中伝搬による情報伝送法の検討
音楽の構成要素は、音高、リズム、ハーモニー(和声)、音色などが挙げられる。このうち音高に系統的な変化を与え、情報を埋め込まれた音楽信号を作成するシステムを開発した。この音楽信号をスピーカ再生した場合、受音する携帯電話の音声符号化アルゴリズムの一部を利用することで埋め込まれた情報は簡単に復号化でき、スピーカ再生した際の環境騒音や残響音などに対しても頑強であることを確認した。この技術は、従来技術において困難であった高騒音および残響音環境下での、空中伝播音響による情報伝送を実現した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Audio Data Hiding that is Robust with Respect to Aerial Transmission and Speech Codecs2010

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura
    • 雑誌名

      International Journal of Innovative Computing, Information and Control 6

      ページ: 1389-1400

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 音響データハイディングを用いるスピーカ再生音と同期した情報呈示システム2010

    • 著者名/発表者名
      西村明, 坂本真一
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌A J93-A

      ページ: 91-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Data Hiding in Pitch Delay Data of the Adaptive Multi-Rate2009

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura
    • 雑誌名

      Proceedings of Fifth International Conference on Intelligent Information Hiding and Multimedia Signal Processing

      ページ: 483-486

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Steganographic Band Width Extension for the AMR Codec of Low-Bit-Rate Modes2009

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura
    • 雑誌名

      Proceedings of Interspeech 2009

      ページ: 2611-2614

    • 査読あり
  • [学会発表] AMR音声コーデックへの情報秘匿を用いた帯域拡張2010

    • 著者名/発表者名
      西村明
    • 学会等名
      平成22年度春季日本音響学会研究発表会
    • 発表場所
      電気通信大学
    • 年月日
      2010-03-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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