研究課題
■ 携帯電話音声符号化データへの情報埋め込み携帯電話において、送話側から受話側へ音質を劣化させずに補助情報を伝送するために適切な方法を開発した。この伝送される補助情報としては、スピーカ再生音に埋め込まれた透かし情報を受話側の電話端末において復号化した情報が挙げられ、これにより透かし情報を効率よく受話側へ伝送することが可能になる。また、この補助情報は下記の電話音声の広帯域化にも用いることが可能である。この成果は査読つき国際会議論文として公表した。■ 携帯電話音声の広帯域化携帯電話において、利用者側の端末がリアルタイムに透かし検出する演算能力を持たない場合には、ホストコンピュータに対して音声通話することによって、一旦透かし入り音声信号を伝送し、ホスト側で検出した情報を端末に電子メールなどで送信して表示する利用法が考えられる。しかし、携帯電話音声符号化による帯域制限を原因とする音声品質劣化が、透かし情報の伝送効率を下げていた。このため、従来の携帯電話音声符号化方式と互換性を保ちつつ、音声信号を広帯域化する技術を、音声符号化データへの情報ハイディング技術を利用して開発し、音声品質を向上させることに成功した。この成果は査読つき国際会議論文として公表した。■ 音楽的旋律を用いた空中伝搬による情報伝送法の検討音楽の構成要素は、音高、リズム、ハーモニー(和声)、音色などが挙げられる。このうち音高に系統的な変化を与え、情報を埋め込まれた音楽信号を作成するシステムを開発した。この音楽信号をスピーカ再生した場合、受音する携帯電話の音声符号化アルゴリズムの一部を利用することで埋め込まれた情報は簡単に復号化でき、スピーカ再生した際の環境騒音や残響音などに対しても頑強であることを確認した。この技術は、従来技術において困難であった高騒音および残響音環境下での、空中伝播音響による情報伝送を実現した。
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