研究課題
周波数選択性フェージングに強く高速伝送が可能なOFDM変調方式やOFDMAアクセス方式、および、複数の送受信アンテナを用いることにより高品質かつ高速な伝送を実現するMIMOが基盤技術として注目され、これらを組み合わせた研究開発が盛んに行われている。本研究では、MIMO-OFDMAのスループット特性と誤り率特性の改善、およびユーザの公平性を得るために、リソース割り当てとパケットスケジューリングに関する研究を行う。本年度は、OFDMAにおける各トラピックのQoS要求を考慮したリソース割り当てに、適応編波制御を用いる方式と、ブロードキャスト時における効率的な周波数利用とQoSを提供するキューイング方式について研究を行い、以下のような成果をあげた。1.MOMOチャネルにおける特異値分解を用いた適応偏波制御法QoSベースのMIMOシステムにおいて、変調方式と偏波面を適応的に制御して、システムスループットを最大にする方法を提案した。この方法ではチャネル行列を特異値分解した結果を基に通信に使用する偏波を決定し、併せてビット割り当てを行う。計算機シミュレーションにより特性を評価した結果、提案方式は誤り率特性と送信電力に関する一定の条件下において、スループット特性を改善できることを示した。2.OFDMAシステムにおけるブロードキャストに関する研究マルチパス伝搬路での高速伝送に適したOFDMAを用いたシステムにおけるブロードキャスト時のキューイングモデルに焦点を当て、高い周波数利用効率と良好なQoSを提供できるキューイング方式を提案し、提案方式の有効性を明らかにした。
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IEICE Trans.on Communications
巻: E93-B, No.9 ページ: 2389-2399
http://www.sasase.ics/keio.ac.jp