研究概要 |
ワンセグメントISDB-T地上デジタル放送は,携帯電話などの移動端末向けデジタル放送サービスとして開始され広く普及している。しかしながら,その狭帯域性によりOFDMが使用されているにもかかわらずマルチパスの影響が大きく深いフェーディングが存在する場合には受信特性の劣化が見られる。その対策としては通常の13セグメントISDB-T放送と同様に,複数の受信アンテナを用いるダイバーシティ受信が極めて有効であるが,携帯端末は形状が小さいため効率よく複数のアンテナを設置してダイバーシティを行うことは困難である.そこで本研究ではダイバーシティを複数の端末間で行う協調受信方式を提案し,その特性向上を図る方式について検討する。端末間ではそれぞれの受信情報がBluetoothなどの専用ネットワークを介して交換され,双方の受信特性を向上させる.ただし,Bluetoothの伝送速度は限られているので,効率の良いデータ交換を行う必要がある。本研究では,交換を行う伝送路情報を削減しネットワークを有効に使用するための検討,交換後の限られた伝送路情報から最大の特性を得るための合成方式について提案を行い少ないデータ交換量で実用的な特性を得ることが可能であることを確認した.以上の検討によって協調受信は受信率を向上するために有効な手段であることが確認された。
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