研究概要 |
ISDB-T地上デジタル放送ワンセグメントサービスは移動端末向けデジタル放送サービスとして広く普及している.しかしながら,約430kHzというOFDMを用いたシステムとしては,非常に今日大域の伝送を行っているためマルチパスの影響を大きく受け,深いフェーディングが存在する場合には受信特性の劣化が大きい.本研究ではダイバーシティを複数の端末間で行う協調受信方式について,その特性向上を図る方式について検討する.端末間ではそれぞれの受信情報がBluetoothなどの専用ネットワークを介して交換され,双方の受信特性を向上させる.ただし,Bluetoothの伝送速度は限られているので,効率の良いデータ交換を行う必要がある.本年度は昨年度提案し検討を行った協調受信方式について,誤り率特性を引き続き改善するための検出方式の検討およびパラメータのチューニングを行い特性の向上を図った.また,端末間でのデータ交換量をできるだけ効率よく行えるように,端末間で交換されるデータの表現方式,プロトコルについて検討を行い,データ量の削減を図った.また,伝送路推定値の精度を高めダイバーシティ効果を確実に得るための伝送路推定方式の検討も行い,実測データを用いることにより,推定精度の妥当性を検証した.以上の検討について,一部の研究成果については既に学会論文誌および,研究会などで発表を行った.今後はより具体的なシナリオを想定した上で,システムとしての提案方式の有効性を実証していく計画である.
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