研究概要 |
近距離無線通信技術の一つに人体通信(Intra-Body Comtunication:IBC)と呼ばれる通信方式があり、本研究は人体通信を用いた人体部位及び形状識別方式を提案し評価を行った。以下に概要を述べる. 人体の手首の動きを識別する手首識別方式を提案しその評価を行った。手首識別方式は人体の手首の縦方向及び横方向の傾きを識別することを目的としている.手首識別方式を用いる事で携帯電話等の小型端末を持った手首の動きに合わせた機械操作,空間上での文字の記述,手の形状認識等といった新しいヒューマンマシンインタフェースで活用が期待できる. 手首識別方式の評価方法として,指識別方式及び掌識別方式と同様にリストバンド型のプローブを用いたが,識別には定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)を用いている.実験では最初に手首の動きに合わせたプローブの最適な装着箇所を求めた.次に,FDTD法を用いた電磁界シミュレーションを行い,手首識別方式の妥当性を示した,続いて,手首を横方向及び縦方向に動かし,VSWRの値を計測し,縦方向及び横方向の識別率から評価した. また,手首識別方式のアプリケーションとして,手の形状認識技術の検討を行った.本技術を用いる事で,手の形状から手話の認識,手の形状をキーとして認証を行うシステム,空間上での指識別方式等といった新しいサービスが期待できる.本論文では手の形状認識の評価対象をジャンケンとし,リストバンド型プローブを用いて,グー,チョキ,パー時におけるVSWRを計測し,識別率から評価した.結果として,ジャンケン識別が可能であることを示した.
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