研究概要 |
生体循環系モデルのシミュレーション,編集,診断,教育支援を統一的に提供することのできるフィジオームツールを実現するためのシミュレーションエンジンとインタフェースを開発した.生理学者Colemanの構築したモデルHumanを基本とし,心臓血管系モデルと結合された統合モデルを用いて,循環系の主要なパラメータを変動させたときの循環系の反応をシミュレーションの実行により確認した. 生体循環系モデルの編集を行いやすくするためのインタフェースを開発した.25個の生理モジュールの因果関係をグラフで表現し,編集対象の生理モジュールに簡単にアクセスし,モジュールの入出力変数を把握するのを助けるユーザーインタフェースを構築した.例えば,利用者は25個の生理モジュールの中からHEART(心拍出量),TEMP(体温調節),EXER(運動)だけを選択し,三つのモジュール間での値の伝播について感度を確認しながらシミュレーションを実行することができるようなった.体温,運動負荷に対する心臓血管系モデルのミクロ変化が適切であったことを確認した. 生体循環系モデルの表現方法を改良し,編集・シミユレーションツールからの入出力が効率的・高速に行えるようになった.生体循環系モデルの生理モジュール,生理変数,生理パラメータの説明画面を充実させた.生体循環系の基本モデルHumanを理解するのに役立てることができ,基本モデルの拡張や修正に対する方針を立てやすくなった.
|