研究概要 |
本年度は,オーダライフサイクルマネジメントシステム(Order Life-cycle Management (OLM) System)を中核とした多段階生産スケジューリングシステムのフレームワークを実現し,これを利用するための業務プロセスモデリング手法を明らかにした. (1)OLMシステムと多段階スケジューリングシステム連携フレームワーク:多段階スケジューリングシステムは,様々なレベルで意思決定を行うスケジューリング機能を提供する.OLMシステムでは,オーダの推移モデルに従ってオーダ情報が管理される.各スケジューリング機能で抽出すべき情報は異なり,多段階スケジューリングシステムと連携するために可視情報を制御する仕組み,オーダ間の関連に従って情報の整合性を保つ仕組みを実現した. (2)多段階スケジューリングシステムの機能の整理:多段階スケジューリング機能では,個々のスケジューリング結果が適時相互に影響を与える仕組みが必要であり,ライトウェイトレシピ生成マルチビューガントチャートの機能を有するスケジューリングモジュールを実現した.OLMシステムで扱うオーダは様々な抽象レベルのものを対象とし,その抽象レベルによってレシピも異なり,そのような抽象度の異なるレシピを生成するライトウェイトレシピ生成の仕組みを実現した.また,スケジュール情報を種々の自由な観点から表示できるマルチビューガントチャートの仕組みを実現した. (3)フレームワークを利用するための業務プロセスモデリング手法 OLMシステムと多段階スケジューリングシステム連携フレームワークを利用してスケジューリングシステムを実現するためには,業務分析および業務プロセスのモデリングが必要であり,これらの過程を支援するモデリング手法を提案した.
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