研究概要 |
傾斜分極型圧電振動子(TAPP)を設計し, メーカに特注し試作を行った. 傾斜角は90度から30度まで5度おきに作製し, それぞれの周波数ーアドミタンス特性を測定した. この測定から分極が傾斜している場合, 圧みたて振動と厚み滑り振動が励起され, 単一の周波数駆動ではその周波数に対応するモードのみが励振されるごとがわかった. またパルス駆動のように広帯域信号で駆動すれば両者の特徴を持ったモードの野音波炉励振できることがわかった. この振動子を用いてアルミ板に有限振幅の板波を励振して, これをレーザードップラ装置で振動分布を測定した. これらの実験結果からは, 興味深い事実が見いだされた. すなわち,検出される板波には2種類有り, 1つはアルミ板を伝搬する過程でアルミ板にの弾性的な非線形によって生ずる高調波と振動子とアルミ板の接合面から生ずる接触性非線形音波(CAN)の2種類があることがわかった. これは新しい知見であり, 今後どのような条件でCANが起こるのか, またこれを抑制するための条件について実験的及び数値計算さらには工学的な方法を用いて解明する予定である.
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