研究課題
近年画像診断分野では、診断の高精度化・診断精度のバラツキの低減を目的としたコンピュータ診断支援法(CAD; Computer Aided Diagnosis)が注目されている。CADとは、計算機により医用画像を解析・定量化した結果を医師が「第2の意見」として利用する診断のことで、これまでに、マンモグラフィを始め、胸部単純X線写真等の様々な医用画像に対する研究・開発が行われてきたが、胸部CT画像を対象とした経時的画像診断支援法は確立されていない。本技術では、同一被験者の過去・現在という異なる画像間の経時的変化を強調表示し、肺がんや結節状陰影を提示することによる医師への診断支援のための画像解析法を開発している。平成22年度には、21年度に確立したアーチファクトの少ない経時差分画像の生成法をさらに精度向上を図るため、Generalized Gradient Vector Flow (GGVF)とベクトル集中度を考慮した画像解析法を提案した。さらに、同一被験者の過去・現在の異なるCT画像データを基に経時的差分像を生成し、提案法による差分像あり・なしによる検出能の違いを評価するためのソフトウェアの開発を行った。開発したソフトウェアを用い、経験の浅い読影医とベテラン医師の2グループによる臨床実験を行った結果、提案法の差分像を提示することによる診断能の向上を確認でき、その有効性を検証した。また、経時的差分画像からの結節状陰影候補領域の有無を識別するため、差分画像が持つ濃度特徴や形状特徴に3次元形状特徴を加味した画像解析手法を提案し、候補陰影を検出するための識別器を構築し、有用性を確認した。
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International Journal of Innovative Computing, Information and Control
巻: 7 ページ: 2603-2610
http://lab.cntl.kyutech.ac.jp/~kimlab/