研究概要 |
医療用の近接3次元形状計測に適用することを念頭に,計測範囲と形状分解能に関する自由度がきわめて大きく,occlusion領域を低減可能で,かつ簡易な機材で実現できる3次元形状計測法の実現を目的とした.魚眼カメラの被写界深度を利用した固定焦点任意距離撮影により校正時精度を保った計測ができること,超広視野角を利用して撮影時のカメラ外部パラメータの高精度取得を可能にして高精度自由視点計測を実現した. 形状計測方式はアクティブステレオ方式である.少ない投射画像枚数で高分解能の3次元形状を取得するために位相シフト法が用いられることが多いが,投射画像の輝度直線性が形状精度に大きく影響する.我々は投射画像の輝度直線性の補正が容易で高精度,かつ投射画像数が位相シフト法より少ない輝度比法を開発し適用することによってカメラ外部パラメータと形状情報の高精度同時取得を実現した. その結果,従来の多視点ステレオ法が計測器を一定の軌道上で移動することを前提にしているのに対して,本方式は計測ごとに外部パラメータを持つため,自由視点の多視点ステレオ法が実現し,必要な形状分解能で必要な部分の形状を自由に計測できるようになった.ある計測視点で生じたocclusion領域も他の任意の視点に移動して計測することができ,筆者らが先に開発した高精度部分形状接合法^*を適用して全体形状を再構成することが可能である. *電子情報通信学会論文誌D, J91-D, 2, pp484-496(2008)
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