研究概要 |
本研究は半導体材料の温度を製造プロセス中において非接触で正確に計測する放射測温法を開発すること、およびその計測システムが的確に実施できているか確証するためのキャリブレーションシステムを構築することを最終目的としている。これを実現するための具体的な研究課題はこれまでに得られた以下の4件の研究成果を総合・複合化することである。 (1)偏光放射輝度比による半導体材料(シリコン)の放射率補正放射測温法。 (2)Emissivity-invariant conditionによる半導体材料の放射測温法。 (3)ハンドギャップによる吸収端波長シフト利用の半導体材料の非接触温度計測法。 (4)ハイブリッド型表面温度センサによる半導体材料温度のキャリブレーション。 当該年度(平成20年度)における研究成果を以下のようにまとめた。 1.既存の真空装置を大幅に改造し、in-situプロセス計測を想定した独自の真空加熱装置を完成した。本装置はハイブリッド型表面温度センサが真空内で昇降できるシステム機構を有し、シリコンウエハの表面温度を1200Kまで加熱昇温制御可能とした。また、側面に配した数か所の窓に各種センサを配置した。現在本装置を使用して上記研究課題を遂行中である。 2,Emissivity-invariant condition、および偏光放射輝度比による放射測温法がシリコンウエハの広範囲の条件下で成り立つかどうか、放射と反射の両面から検討した結果、少なくとも800〜1000Kの温度領域、比抵抗0.01〜2000Ωcmの範囲で成立つことを確証した。この計測原理をin-situプロセスで実現するシステムの基本方式を考案し、現在その実験準備中である。
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