1、研究の目的: 光やMEMSセンサの特長を生かした無電源かつ絶縁機能を有する計測システムの基盤研究を実施する。 2、研究の成果: (1)振動子を光熱駆動し共振周波数を光ドップラー効果を利用して検出する計測システムで、前年度試作した制御部と光ファイバ計測システムの基本動作を確認した。センサ部は基本的な温度センサの構成例を用いた。実用的なセンシングシステムの形状は光ファイバを用いたものであり今回は半導体レーザや受光素子と光ファイバとがモジュール化されたものを用いたが、従来の銅線等に比較して光ファイバ自身が折れやすく現場での使用には注意を要することも実感として経験した。 (2)技術動向および社会ニーズの調査を目的に、国際会議INSS2009(International Conference on Networked Sensing Systems)、Transducers2009、OFCNFOC2010(Optical Fiber Communication Conference and National Fiber Optic Engineers Conference)に参加した。 INSSはセンサネットワーク関連のセンサ・ハードウエアとネットワークの両技術者が参加し議論する会議で、今年度は特に応用面を模索する論文等に関心が持たれた。応用に関するパネル討論のパネラーを務めた。TransducersとOFCNFOCは、参加者1000-3000名と大きな会議で、前者はセンサ・MEMS中心、後者はその応用分野のひとつの会議である。ともにデバイスの集積化や微小発電チップが注目されたと考える。またバイオ・医用応用の論文が注目に値する。
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