研究課題
1、研究の目的:光やMEMSセンサの特長を生かした無電源かつ絶縁機能を有する計測システムの基盤研究を実施する。2、研究の成果:(1) 振動子を光熱駆動し共振周波数を光ドップラー効果を利用して検出する計測システムで、申請時の研究計画にしたがい、各種応用に適した光熱駆動型MEMSセンサ部を提案した。センサ部のデバイス構造の具体例として、温度計測システムのほか、ガス濃度、ガス種、圧力、などを提案した。結果は国際会議SICE2010(計測自動制御学会(SICE)Annual Conference)で報告した。SICE2010では、計測(センシング)分野で"ネットワークと接続された…"のセションが目立った。(2) 技術動向および社会ニーズの調査を目的に、国際会議INSS2010(International Conference on Networked Sensing Systems)、ISSCC2011(International Solid-State Circuits Conference)、OFCNFOC2011(Optical Fiber Communication Conference and National Fiber Optic Engineers Conference)に参加した。INSSではキーアプリが重要との声が大きかった。ISSCCでは、今年度は"Electronics for Healthy Living"がテーマで、応用を意識した会議といえる。以前のテーマである「エネルギーハーベスティング」はイブニングセションで議論された。この会議テーマは、"New Interface to the Body Though Implantable System Integration"で基調講演にも現れている。学会の方向づけとしては「低電力化したシステムをエネルギーハーベスティングチップで駆動する健康・医療用システム」を目指している。OFCNFOCではデータセンターを中心とした光インターコネクトの話題が多かった。プレナリトークの3人とも企業人であることからも、この分野は要素技術からシステム技術に移動している。ともにセンサ関連の話題が多くなり、応用分野ではデバイスレベルでなくシステムとして考えることが必要で、デバイス研究者もシステムを意識して研究開発にあたる必要性を再認識した。その意味では本研究題目・研究内容は時期を得たものであった。
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Proceedings of SICE Annual Conference 2010
巻: SA16-02 ページ: 3540-3541