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2010 年度 実績報告書

防災用可搬型高画質ミリ波カメラの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20560408
研究機関豊田工業高等専門学校

研究代表者

安藤 浩哉  豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (30212674)

キーワードミリ波カメラ / 偏波分離器 / 電磁波照射 / 小型化 / マルチバンド / 左手系伝送線路 / 2次元伝送平面
研究概要

照射された電磁波の反射波から対象物に関する多くの情報を集めるために,広帯域あるいは異なる複数の周波数で動作する回路設計,反射波を分離するために必要な偏波分離器,可搬性を実現するための高周波受動コンポーネントの小型化設計,に関する検討が重点的に行われた。
加工のしやすい偏波分離器を実現するために,同じ幅のブランチラインを有する偏波分離器の検討を行い,バンド比帯域が5%で,挿入損≦0.2dB,反射損≧24dB,二つの偏波出力の間のアイソレーション≧50dBであることが確認できた。この偏波分離器はブランチ導波管の本数を増やすことで広帯域化に対応できる。
従来の右手系伝送線路では位相が遅れるのに対して,直列にキャパシタ,並列にインダクタが周期的に配置された構造を持つ左手系伝送線路は,位相が進む性質を有している。この2つの伝送線路の性質を利用して,中央に左手系伝送線路の単位セルを配置した右手系伝送線路が任意の異なる2つの周波数でそれぞれ±90度の位相差を作るλ/4長伝送線路として機能することが確認できた。具体的には,伝送線路(特性インピーダンス=50Ω,電気的長さ=74.68°@1GHz)×2+コンデンサ(5.81pF)×2+インダクタ(8.895nH)と伝送線路(特性インピーダンス=35.35Ω,電気的長さ=74.68°@1GHz)×2+コンデンサ(8.215pF)×2+インダクタ(6.29nH)を組み合わせることで,1GHzと2GHzの相異なる2つの周波数で動作する3dBブランチラインカプラの動作を確認することができた。この成果は,複数の周波数で動作するシステムの小型化設計に役立てることができる。さらに,円形の2次元伝送平面の周囲の適切な場所にポートを設けることで,3dBカプラをコンパクトに実現することができることが,理論計算上でも実験上でも確認できた。この成果から伝送平面で構成される新たな高周波受動デバイスの創出が期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 四端子対回路網の縦続行列と散乱行列に関する考察2011

    • 著者名/発表者名
      大嶽知夏
    • 雑誌名

      豊田工業高等専門学校研究紀要

      巻: 43 ページ: 25-42

  • [雑誌論文] 同じ幅のブランチラインを有する偏波分離器2010

    • 著者名/発表者名
      安藤浩哉
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌C

      巻: Vol.J93-C, No.8 ページ: 249-255

    • 査読あり
  • [学会発表] 左手系伝送線路の単位セルを持つλ/4伝送線路に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      小野裕明
    • 学会等名
      電子情報通信学会2011総合大会後援論文集C-2-71
    • 発表場所
      東京都市大学
    • 年月日
      2011-03-15
  • [備考] 文献("同じ幅のブランチラインを有する偏波分離器",電子情報通信学会論文誌C,Vol.J93-C, No.8,2010)は,前年度報告書記入の時点では,掲載(掲載;号)のみの決定で掲載ページが未報告でしたので,平成22年度(2010年度)の成果として,あらためて報告します

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公開日: 2012-07-19  

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