研究概要 |
1. 薄面化処理:厚面化により冗長な入出力関係を持つようになるので,薄面化処理により冗長性を排除した.ただし,従来の薄面化処理は2値の3次元画像を対象としているのでそのまま適用できない.そこで,厚面化の場合と同様に,3次元の階調画像に対応できるよう拡張した上で,データ分布密度に応じて消去量と方向を制御する機能を付与した. 2. 2値化と耐雑音性の評価:薄面化処理で作成された3次元画像は,ほとんどの画素値がゼロとなり,複合システムのモデル数と同じ数だけの2次元曲面を形成する.しかも,各曲面が各モデルの入出力関係を表すので,曲面を抽出することで各システムのモデリングが行える.そこで,薄面化処理で作成されたデジタル画像が確からしさを表す階調画像となるので,2次曲面の連続性を保存しながら2値化した.これら一連の処理について,雑音分散と次元曲面の推定精度との関係を評価した. 3. データベース作成:薄面化処理で作成された3次元画像をそのままコンピュータに格納しようとすると,メモリ容量が膨大となり,データアクセス速度が低下してしまう.そこで,3次元画像から意味のある2次元曲線の集合を抽出し,各曲線を効率よく格納,あるいはアクセスできるようなデータ構造を作成した.具体的には,閉曲線にも開曲線にも適用可能なフーリエ記述子を開発し,低次のフーリエ記述子だけでも,精度良く元の曲線が近似できることを示した.
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