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2008 年度 実績報告書

放射性廃棄物処分施設における人工バリアの性能低下に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560430
研究機関東京工業大学

研究代表者

大即 信明  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)

キーワードCa溶脱 / 浸漬法 / 電気的手法 / 細孔径分布 / ビッカース硬度 / 水酸化カルシウム / エトリンガイト
研究概要

本年度は,(1)拡散場におけるCa溶脱挙動に対する電気化学的促進試験を用いた長期健全性評価手法の整合性を把握することを主目的としたため,電気化学的促進試験における通電条件が拡散場におけるCa溶脱挙動に対する再現性に及ぼす影響を明らかとした.具体的には,セメント系材料として作製したモルタル試験体への通電処理を行い(電流密度は0.l, 1, 10, 20A/m2),また,拡散場におけるCa溶脱挙動と比較するため,一年間水中に浸漬したモルタル試験体と通電処理を行ったモルタル試験体との比較を行った.
その結果,Ca溶脱に伴う劣化が確認される範囲では浸漬法及び電気的手法におけるCa溶脱特性は概ね一致することが確認された。しかしながら,電気的手法におけるCa溶脱特性に関して,試験体内部及び試験体内部に埋設した陽極近傍において浸漬法との差異が確認された.すなわち,電気的手法において,試験体内部におけるC3S及びC2Sの水和に伴うC-S-H等のCa水和物の生成に伴う空隙の緻密化及び陽極近傍におけるエトリンガイトの析出に伴う空隙の増大が推察された.これは,浸漬法におけるイオン移動は拡散現象であり,電気的手法におけるイオン移動は電気泳動により陰極側及び陽極側に泳動するイオンが拡散現象と異なるためであると考えられる.
一方,長期間に亘り電気的手法を用いた場合,本研究により得られたセメント系材料の電気的手法におけるCa溶脱特性は浸漬法におけるCa溶脱特性に関する既往の知見と一致することが確認された.
今後,長期に亘るセメント系材料の健全性評価手法としての実用性を高めるため,比較的低電流密度とした場合の電気的手法におけるCa溶脱特性を把握することが課題であると考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] セメント系改良地盤のCa溶脱に伴う強度低下に関するC1^-の影響を考慮した長期予測2008

    • 著者名/発表者名
      橋本勝文, 大即信明, 西田孝弘
    • 雑誌名

      土木学会論文集 64, 2

      ページ: 226-237

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モルタルのCa溶脱特性に関する電気的手法を用いた実験的検討2008

    • 著者名/発表者名
      橋本勝文, 斎藤豪, 大即信明
    • 雑誌名

      セメントコンクリート論文集 62

      ページ: 405-410

    • 査読あり
  • [学会発表] モルタルのCa溶脱に伴う空隙構造の変化がCl_-の拡散係数に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      橋本勝文, 大即信明, 斎藤豪
    • 学会等名
      土木学会年次学術講演会
    • 発表場所
      宮城
    • 年月日
      2008-09-10
  • [学会発表] モルタルのCa溶脱変質特性に関する電気化学的促進試験を用いた実験的検討2008

    • 著者名/発表者名
      橋本勝文, 大即信明, 斎藤豪, 松土真也
    • 学会等名
      第62回セメント技術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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