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2010 年度 実績報告書

寒冷地コンクリート構造物の劣化過程(進展期・加速期・劣化期)と構造性能の評価

研究課題

研究課題/領域番号 20560434
研究機関八戸工業大学

研究代表者

阿波 稔  八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10295959)

研究分担者 月永 洋一  八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60124898)
迫井 裕樹  八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30453294)
キーワードコンクリート / 維持管理 / 凍害 / 塩害 / 材料劣化 / 構造性能
研究概要

平成22年度は,凍結融解作用による表層劣化を生じたコンクリート構造物の構造性能[進展期],表層劣化と鉄筋腐食の複合劣化を生じたコンクリート構造物の構造性能[加速期・劣化期]を評価した,これらは,RCはりの曲げ載荷試験により検討した.得られた結果の概要を以下に述べる.
(1)引張側におけるスケーリング量の増加に伴い,最大荷重が低下することが確認された.電食を実施していないものにおいて,スケーリングが1kg/m^2程度では約10%,10kg/m^2程度以上で約30~50%程度最大荷重が低下することが確認された.鉄筋が腐食したRCはりについても,スケーリング量の増加に伴い,最大荷重が低下する傾向を示すことが認められた.
(2)RCはりのスケーリング量の違いによらず,腐食減少率の増加に伴い,最大荷重が低下することが把握された.スケーリングが生じていないRCはりにおいて,腐食減少率が10%程度で約10%,腐食減少率40%程度以上で約30%程度,最大荷重が低下することが確認された.スケーリングが生じたRCはりにおける最大荷重と腐食減少率の関係は,スケーリングが生じていない場合と同様に,腐食減少率の増加に伴い,低い最大荷重を示すことが明らかとなった.凍結融解作用によるコンクリートの劣化が大きいものほど,鉄筋腐食による最大荷重の低下が大きいことが確認された.
(3)スケーリング量が1kg/m^2程度の際の曲げ剛性は,スケーリングが発生していないものと同等であるものの,スケーリングが10kg/m^2程度以上生じたものは,55~70%程度曲げ剛性が低下することが確認された.これは,凍結融解作用によりコンクリートと鉄筋の付着強度が低下したことや圧縮側コンクリートの劣化によるものと考えられる.
(4)凍結融解作用によるコンクリートの劣化を受けた供試体は,鉄筋腐食の増大に伴い,曲げ剛性も低下する傾向を示すことが明らかにされた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 塩化物環境化におけるコンクリートのスケーリング抵抗性評価試験の簡素化に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      権代由範, 月永洋一, 庄谷征美, 阿波稔
    • 雑誌名

      コンクリート工学論文集

      巻: Vol.21, No.2 ページ: 45-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コンクリート部材の断面厚さの相違が表層部脆弱層の形成に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      権代由範
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集

      巻: No.64 ページ: 391-397

    • 査読あり
  • [雑誌論文] INFLUENCE OF FREEZING-THAWING ACTION ON CHLORIDE PENETRATION INTO CONCRETE2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Sakoi
    • 雑誌名

      2nd International Conference on Durability of Concrete Structures

      ページ: 269-274

    • 査読あり
  • [学会発表] 凍害と塩害の複合劣化を受けたRCはりの曲げ耐背け能の評価2011

    • 著者名/発表者名
      福田有淑
    • 学会等名
      平成22年度土木学会東北支部技術研究発表会
    • 発表場所
      東北工業大学
    • 年月日
      2011-03-05

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公開日: 2013-06-26  

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