寒冷地におけるコンクリート構造物は、凍結融解作用による表層劣化と、それに伴う鉄筋腐食を引き起こす可能性が極めて高い環境下にあると言える。しかし、それら凍結融解作用を主要因とした材料劣化の程度が構造性能に及ぼす影響については殆ど明らかにされておらず、性能低下を考慮した合理的な設計、維持管理を実施するまでには至っていない。 そこで本研究は、寒冷地における鉄筋コンクリート(以下、RC)構造物を対象とし、その劣化過程(進展期・加速期・劣化期)の材料劣化レベルと構造性能との関係を明らかにするものである。 具体的な研究の目的を以下に示す。 (1)凍結融解環境下におけるコンクリート中の塩化物イオンの移動モデルの提案 (2)寒冷地におけるコンクリート構造物の劣化過程(進展期・加速期・劣化期)と構造性能の評価
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