研究概要 |
1.舗装表面に作用する輪荷重分布について 里見忠篤教授(研究協力者)の支援を得て3次元接地圧計測システムの試作を行った。昨年度の問題点として圧力計測センサーに工夫が必要との結論になり,新しいセンサーを2種類開発した.それに伴い接地圧計測装置の改良も行った.少なくとも20年度と比べ接地圧の精度が向上したことを確認できた.今後,実験を重ねて精度の検証と操作性の簡易化を目指している. 2.材料特性を考慮した応答解析の理論構築とソフトウエアの開発 舗装の理論設計を行うとき,通常等質・等方性の多層弾性構造として解析を行うが,弾性体ではわだち掘れなどの現象を説明できない.そのため,経験的に残留ひずみの数パーセントが塑性ひずみとして残留し,わだち掘れを説明している.本研究では,室内試験から舗装を構成する材料を力学的にモデル化し,アスコンをバーガーモデル,路盤,路床をマックスウェルという簡単なモデルで表すことが出来ると仮定して理論的にわだち掘れの現象を説明できることを確認している.今後経験的な方法と比較することにより,実用化を図ることにする. 3.FWD試験,小型FWD試験の測定データを用いた新しい舗装構造評価法の開発 FWD試験機は舗装表面に衝撃荷重を作用させ,発生する表面たわみを計測する試験機である.測定たわみから舗装の構造診断を行う方法を提案し,すでにわが国では標準的診断法として利用されている.本研究の目的は診断技術の高度化である.舗装をフォークトモデルで構成される多層構造と仮定して波動伝播解析を行うことができる理論解を誘導し,その解を用いて舗装診断を行う技術を開発した.この技術は他の追従を見ない.現在,米国航空局からの依頼もあり,FWDデータの提供を受け開発したソフトウエアの信頼度の確認を行っている.
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