研究概要 |
平成20年度においては,植生化指標XDVIを用いて光学センサーによる衛星画像から道路被害箇所を抽出するシステムについて検討した.2004年新潟県中越地震による新潟県下の道路被害について,スポットマルチスペクトルデータを用いて被害箇所の抽出を行った.先ず,マルチスペクトルデータの特性変化,およびデジタル標高データから得られる地形特性を用いて斜面崩壊地点の抽出を行った.一方,新潟県下の道路に関するGISデータを作成して衛星画像において道路と重なる部分を切り出し,斜面崩壊の影響による道路被害箇所を抽出した.道路盛土自体の崩壊については,画像データのテキスチャー情報を用いて抽出を行った.これらの研究の成果は日本災害学会の論文集に投稿を予定している.また,同様の手法を2007年能登半島地震における道路被害についても適用した.この研究成果については,第63回土木学会学術年次講演会で発表した. 2008年四川地震による道路被害について,PALSAR, Terra SARといった合成開口レーダ画像による解析を行うため,データの選定・収集を行った.平成21年度においてはこれらのデータの解析を行う.PALSARは日本の衛星ALOSが搭載するセンサーであるが,ALOSはAVNIR IIという光学センサーも搭載している.二つのセンサーによる画像をフィージョンさせることにより被害箇所の抽出がより高精度で行われるものと考えられる.また,Terra SARは高分解のSAR画像であり,斜面崩壊箇所を高精度で抽出することが可能である.
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