研究概要 |
石川県能登半島で2007年3月25日に発生したM7.1震度6強の能登半島地震で道路高盛土が何ヶ所か崩壊し,土石流となってかなりの距離を流れた.崩壊現場を精密に測定し,そのデータを整理して,本研究の元となっているScheideggerの図にプロットしたところ,本来山岳崩壊という岩盤崩壊事例のデータをもとに作られたのバンド内に,盛土崩壊土石流も同じようにのってくることが判明した.これによって,土石流の原因が岩盤崩壊であっても,盛土の土砂崩壊であっても,土石流の到達距離という面から見れば,同じメカニズムと考えてよいことが明らかとなった.Scheideggerのデータの多くが欧米諸国のものと思われるのに対し,研究代表者らが収集したデータはアジアの多雨地域のものであることから,崩壊に伴う土石流の到達距離が,その地域が多雨地域であるか乾燥地域であるかに左右されることが少しずつ明らかになってきている.
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