鉛直載荷実験は、地盤変形が確認できるよう1面がガラスの組立式土槽を使用し、試料土は関東ロームを用いた。模型地盤は50kPaで圧縮を行い、層状に大まかに密度一様な地盤を作製した。胴木基礎模型(塩ビ製)を用いて、杭付き胴木基礎模型を作製した。遠心加速度を徐々に上げることにより、胴木基礎模型に鉛直荷重を加えて基礎模型の沈下量を測定した。杭付き胴木基礎の沈下に伴って、基礎直下の地盤が変形する様子は、針貫入試験による地盤密度の変化とマーカーとして入れたカオリン層の変化で考察した。針貫入試験では、載荷実験後に針径2mmの丸棒を貫入速度2cm/minで貫入し、貫入抵抗と貫入変位を測定するものである。貫入箇所及び貫入量は12箇所・約6cmに設定し、比較のために基礎が設置されていない無載荷の模型地盤についても針貫入試験を行った。なお、試験結果の評価として、載荷実験後の貫入量4cmの位置での地盤の貫入抵抗値(N)を4段階に分類し、地盤密度変化は『よく締まった(◎)、軟らかくなる(△)』として評価した。その結果、杭付き胴木基礎の沈下に伴う地盤密度変化とカオリン層の変化により、杭間・胴木基礎周辺に土が流動してより締固まったことと推測された。 このことは、杭付き胴木基礎は胴木基礎の特徴である格子構造を活かし、格子の中を土が通過することで土と基礎が一体化し、さらに杭の支持力により総合して沈下が軽減されるという支持力メカニズム解明の有力な手がかりが得られたと考えています。
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