研究課題
2007年新潟県中越沖地震時に地盤が液状化した地域において、地下水位の長期変動特性を測定した。また、数値解析によって、液状化に伴う実際の地盤変状の再現を試みるとともに、地下水位レベルと被害の程度の関係を調べる模型振動台を試作し、性能をチェックした。さらに液状化に由来する斜面の地すべり量を、既往のNewmark法を修正して予測した。具体的な実績は、以下の通りである。1)刈羽村と柏崎市の7地域において地下水位計を24箇所設置し、地震後2年間の水位変動を測定して降雨量との関係を調べた。その結果、地下水位は降雨量の影響を1ヶ月遅れ程度で受け、季節的に変動することが分かった。2)前年度に液状化試験を実施した刈羽村稲場と柏崎市山本団地のデータに基づき、実際の地盤変状を数値解析によってシミュレーションした。その結果、地盤改良と地下水位低下工法の効果を数値的に再現可能であることが分かった。3)地下水位のレベルに応じた水平地盤と傾斜地盤の地盤変状を、模型実験的に相対比較するために、剛体土槽と自由振動台を試作しパイロットテストを実施したが、過剰間隙水圧の上昇が十分でなく、改善を要することが分かり、次年度の課題として残された。4)2004年新潟県中越地震で、地盤の液状化に起因する地すべりが発生した旧山古志村尼谷地地区の地すべりを例として、繰り返し載荷による土の強度低下を考慮した修正Newmark法によって実際の地すべり量を再現した。その結果、この方法は地すべり量を予測する簡便な方法として有効であることが分かった。翌年度(22年度)実施予定の3次元液状化解析検討を行った。
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