研究課題/領域番号 |
20560468
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
尾上 篤生 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 特任教授 (70332004)
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研究分担者 |
岩波 基 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90435420)
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キーワード | 液状化 / 地下水位 / 対策工法 / 耐液状化基礎 / 被災度 / 液状化指数 / 数値解析 / 柱状改良 |
研究概要 |
2007年新潟県中越沖地震で液状化被害を受けた家屋について、液状化の程度と基礎の被害の関係を実態調査し、地盤が液状化しても健全性を損なわない基礎の要求性能を地盤・地形条件ごとに明らかにした。また数値解析の援用を得て、宅地の液状化対策最適選定方法を提案し、液状化で壊れない低コスト住宅基礎選定方法を示した。具体的には、下記の研究を実施した。 1)液状化被害を受けた宅地の地下水位と降雨量の関係を調査した。その結果、地下水位は月間降水量の変化を約一ヶ月遅れで反映する変化パターンを示すこと、その季節変動量は場所や地形によって0.3m~1.0m程度であることが分かった。その結果、液状化を予測する場合は、多雨(多雪)期の水位に基づくべきであることが推奨された。 2)液状化被害の程度と地下水位との関係、損傷した基礎の被災度(凹凸度)とP_L値(液状化指数)との関係等を数量化するために地下水位の実測値を追加補完した。その結果、地下水位が浅いほど、P_L値が大きいほど液状化被害の程度は著しく、凹凸度が大となることが実証された。 3)被害家屋のうち、液状化無対策宅地および有対策宅地の地盤変状を、数値解析と実測値との比較を行って検証した。その結果、液状化対策を行っていない宅地が液状化に起因する斜面崩壊を誘発したのに対し、地下水位低下・杭基礎・浅層地盤改良を実施した宅地の変状が僅かであることが解析的に実証された。 4)地震後に排水暗渠による地下水位低下工法を施工した住宅地における、水位低下の効果を長期観測し、本管と枝管の適切な間隔・埋設深度などのデータが得られた。ただし、地下水の供給の多少とそれらの関係についてはさらなる研究を要する。 5)柱状改良・小口径鋼管杭などの支持杭を持つ家屋の液状化被害程度が小さいことが分かった。これに基づいて、液状化対策工法と耐液状化基礎の提案、および選定フロー作成の見通しがついた。
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