今年度は本研究の最終年度として、これまでの研究成果を踏まえて以下の内容を並行して行った。 1)屋内歩行誘導支援研究:平坦な通路(屋内)での可視光通信による白杖歩行者誘導にむけた、i)ニーズ調査とii)地下鉄構内誘導実験 2)実信号横断歩道での信号機からの可視光通信による白状歩行誘導実験、i)信号機と受光器改良実験、ii)可視光誘導の慣れによる効果と動作挙動分析 1-i)では、視覚障害者に実際に可視光通信による誘導をどんな場所でしてほしいか詳細に聞いたところ、自宅の通路誘導ではほとんど必要性を感じていないが、特に地下鉄構内での出口誘導などでのニーズが高いことが分かった。そこで1-ii)において、名古屋市の地下鉄構内において改札口から各出口まで可視光通信システムを構築して誘導実験を行い、安心など一定の効果がわかった。 2-i)では、横断完了手前の受光困難状況の改善案と受光レンズ面に様々な素材を貼付する受光性能改良案を疑似全盲者と視覚障がい者に対して実験検討した。以上の改善案の結果、横方向変位等を抑制する可能性を示すことができた。2-ii)では、上記の改良をすることなく、何度も誘導横断練習することで誘導効果がどの程度改善されるかを実験検討した。その結果、ほとんどの被験者で慣れによる誘導改善がみられることがわかり、また誘導精度改善が見られない被験者の歩行時挙動や信号機方向の探索動作の特徴も明らかとなった。
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