本年度は、全国のコミュニティバス実施地域を対象にアンケート調査を行った。アンケートでは、コミュニティバス運営団体の運営方式や、運営団体がプロジェクト・マネジメント(PM)を活用できているか等を問うた。回収率は66%で、回答者はコミュニティバス担当課が155人、まちづくり株式会社が2人、教育委員会が1人であった。 “黒字である"の回答は、[協働型運営方式]1団体(20%)、[地域参画型運営方式1]2団体(11%)、[地域参画型運営方式2]0団体、[自治体主導型運営方式]1団体(1.2%)で、[協働型運営方式]は相対的に運営状態が良いことがわかった。 アンケート結果に基づきPMの8マネジメント項目の実施・活用状況を評価した結果、“非常に活用できている"と判定されたマネジメント項目数は、それぞれ[協働型運営方式]が6項目(75%)、[地域参画型運営方式1]・[地域参画型運営方式2]・[自治体主導型運営方式]が2項目(25%)であり、地域住民が運営に参画する[協働型運営方式]がPMをよく活用していることが明らかになった。さらに、[地域参画型運営方式]と[自治体主導型運営方式]は、[協働型運営方式]に比べて「統合マネジメント」の活用で劣る。また、[自治体主導型運営方式]は、他方式に比べて「コミュニケーション・マネジメント」の活用で劣ることが把握できた。 以上の結果から、[協働型運営方式]はPM技法を良く援用しており、このことがコミュニティバスの良好な運行・運営の要件になりうることが確認できた。
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