ケーススタディ対象である堺市での既存軌道(阪堺線)の存廃問題に関して、当面の存続のための行政からの支援策として財政的な補助がなされることが決まった。これに関連して、軌道事業者が料金の低廉化や多様な運賃制度の導入がなされ、また筆者らや市民活動等により様々な啓発活動が行われている。 そこで、平成21年度研究として実施した市民意識調査に基づいて、同一調査対象者に対して、交通行動や阪堺線やその他公共交通に関する第2回目の意識調査を実施した。 前回調査で回答を受けた約500世帯を対象として、203サンプルを回収した。 調査の結果、これら運賃政策や各種啓発活動の結果、阪堺線利用頻度が上昇し、特に買い物と娯楽目的交通については、従来行かなかった目的地に出かけるなどの阪堺線利用の増加と多様化が見られた。 今後さらに既存軌道の活性化を図るためには、低床式車両の導入、他の鉄道、バス等との運賃一体化や結節点整備等の連携政策が望まれれていることが明らかとなった。
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