交通管制データは信号制御等のため、交通事故データは交通事故を記録して様々な交通事故防止対策に分析するため、別々の目的で収集されているものである。そのため、過去においては、高速道路以外の一般道路において、交通管制データと交通事故データを繋げて分析した研究事例は非常に少ない。 本調査研究では、平成20年度は研究の第一段階として、海外事例を調査して、海外の実状を把握することに努めた。その結果、海外においても、一般道路においては、交通事故と車両感知器を組み合わせた分析事例はほとんど存在しないことがわかった。また、千葉県内の一部地域の交通事故データと車両感知器データを、道路ネットワークを介して統合した。具体的には、車両感知器属性ファイルと道路ネットワークをGIS上で統合し、車両感知器が設置されている道路は、車両感知器設置地点に最も近い道路リンクとした。その結果、ほとんどの車両感知器は、当該車両感知器が設置されている正しい道路リンクと結合することができた。 交通事故データには、交通事故発生地点の緯度経度情報、第一当事者と第二当事者の進行方向ベクトル、発生年月日、発生時刻等が含まれている。そのため、交通事故発生地点の緯度経度情報、進行方向ベクトルと道路ネットワークを用いて、第一当事者、第二当事者の走行道路を決定した。そして、近接する車両感知器の交通事故発生時刻前の任意の5分間の交通量・占有率と統合することが可能となった。このような方式で交通事故データと車両感知器データを統合し、交通事故発生時の交通量を把握することが可能となった。
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